Fuji Kiseki

フジキセキ
青鹿毛 牡 1992年4月15日生
父 サンデーサイレンス 母 ミルレーサー 母父 Le Fabuleux
競走成績 4戦4勝
1994年 朝日杯3歳ステークス (GT) 1着
1995年 弥生賞 (GU) 1着
 最強馬と呼ばれた馬は数多くいる。その中でシンボリルドルフの強さはどことなくスマートで(別の言葉で言うとあまり面白みがない)負けることが信じられないという点ではディープインパクト以上のような気がする。つまり“最強馬”というよりは“完全無欠の馬”と言った印象だろうか…この域に入り込んで来た馬というのは少なくともルドルフ以降いないが、最もそれに近いイメージの天才肌の匂いを感じたのがこのフジキセキだった。
 サンデーサイレンスのファーストクロップ…少なくともこの時点で評価が定まっていようはずがないこの種牡馬が凄いと意識付けさせた一頭であるが、100頭以上の重賞勝ち馬を出し夭折したサンデー産駒を並べてみるとそこから導き出される答えは「豪」や「凄」=“熱き本能の馬”というイメージが強い。フジキセキはそんなサンデー産駒としては異質の優等生的なイメージで、それでいて実は最強の産駒であったように思う。父サンデーには偉大過ぎるライバル・イージーゴアがいたためにその闘争心が産駒に伝わるまでに昇華されたものとなったが、フジキセキには最後までライバルがいなかった。いや2戦目のもみじSで後にダービー馬となるタヤスツヨシを一蹴した時点でそのような存在をフジキセキ自身が否定した結果だったのかも知れない。朝日杯でこの馬に最も接近したスキーキャプテンでさえGTだから盛り上げるために接近させてやろうという彼ならではのサービス精神に過ぎなかったのではなかっただろうか?フジキセキは闘争心なき孤高の天才ランナーだったのだ。 
 自身の余りにも早いターフの去り方、そして繁殖入り後の産駒にもどことなく天才ならではの一生懸命さに欠ける産駒が多くGTにはなかなか手が届かない。しかし重賞馬は他のどの種牡馬よりも出している。父を立てているわけではなかろうが、どうにもこうにも人間くさい天才馬と思わせる所以だ。父が苦手としたダートのチャンピオンホース・カネヒキリでGT制覇を果たしたことがもしこの馬の意思だと言われれば私は信用してしまいそうだ…「仕方ない、そろそろマジメにやるか…」そんな気にフジキセキがなったとしたら…
現況(2010/9現在):種牡馬(安平町・社台スタリオンステーション)

2007/2/21

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