Rinden Lily

リンデンリリー
栗毛 牝 1988年3月16日生
父 ミルジョージ 母 ラドンナリリー 母父 キタノカチドキ
競走成績 7戦4勝
1991年 エリザベス女王杯 (GT) 1着
1991年 ローズステークス (GU) 1着
 91年の牝馬クラシック路線は春の時点で5強が存在したレベルの高い年。だが秋の女王に就いたのは春には全くその存在すら無に等しかったリンデンリリーだった。夏を越すのは難しいというが5強は次々と脱落し、5強外ながら桜花賞2着と波乱の主役を務めたヤマノカサブランカを抑えて頂点に立った。だがこのレースで故障し競走能力を喪失したため栄光と共に終焉を迎えることにもなってしまったのは皮肉だ。
 しかし当時を知る競馬ファンにこの馬の名前を出すと100%に近いくらい同じ返事が返ってくる。「あぁ、岡ね」
 岡潤一郎…リンデンリリーの主戦として人馬とも最初で最後のGTをモノにしたこの騎手とリリーは不思議な程一括りになって語られる。武最大のライバルになるはずだったと今でも評価が高い岡はこの勝利から1年ちょっと後、落馬事故で若い命を落とす。リリーとはこんな切ない思い出の中に生きた馬でもあった。
 繁殖でヤマカツリリーという重賞馬を出したリンデンリリーとの初対面は2007年。見学許可を貰うために連絡した際にはそんな素振りもなかった主の阿部さんだったが実際現地に行くと「実はあまり見せたくない」と言う。リリーの姿を見て納得するものがあった。いくら北海道とはいえまだ暑気も去って間もない9月初旬だというのに冬毛ボーボーは違和感を感じざるを得なかった。現役時代も悩まされた脚部の調子も悪かったようである。感じた違和感は悪い形で的中し、翌年リリーはこの世を去った…
近況:2008年5月5日・20歳没

2010/9/5

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